物がうまく飲み込めない?嚥下障害かも?

水や食べ物がうまく飲み込めず、食道ではなく
気管や肺の方へいつも行ってしまうことを
「嚥下障害」と言います。
嚥下障害になると、栄養が十分に摂取できなり
栄養失調を起こしたり「誤嚥性肺炎」など
高齢者の生命を脅かす病気にかかったりします。

・嚥下障害の原因とは?

老化による口の機能の低下などによって起こります。
特に脳卒中(脳血管障害)になると、
後遺症として摂食・嚥下障害が起こりやすくなります。

・嚥下障害チェックリスト

  ▪️口の端から食べ物がこぼれる
▪️口の端からよだれが出る
▪️飲み込みが悪くなった
▪️むせる、咳き込む
▪️食べ物がのどにつまった感じがする
▪️息が鼻からもれる
▪️飲み込んだときに声がかすれる
▪️食事の時間が長くなる
▪️味の好みが変わった

このような症状があり、嚥下障害が疑われたら
口腔内の検診をお勧めします。

・誤嚥性肺炎の現状は?

日本人に多い死因として
悪性新生物、心疾患に次いで肺炎・脳血管疾患があり
その9割を65歳以上の高齢者が占めています。
高齢者の肺炎は、口の中の細菌が唾液などに混じり
誤って肺へ入り込み発症する「誤嚥性肺炎」の割合が高いとされ
中でも気づかないうちに唾液や胃液などが肺に入る
「不顕性誤嚥」によるものが多いと言われています。
誤嚥性肺炎を起こした人の多くは、
本人も気づかない寝ている間に誤嚥を起こしているのです。
肺炎は高齢者の健康管理にとって、とても重要の課題です。

・口腔ケアで誤嚥性肺炎を予防する

ある調査では、特別養護老人ホームで
専門的口腔ケアをする人としない人に対して
2年間の追跡調査を行った結果
口腔ケアした人はしなかった人の比べて
「肺炎にかかった人数」「死亡者数」が
明らかに低いと報告されています。
期間が長くなるほど、発症率の差は明確になりました。

・誤嚥を防ぐリハビリは?・・・「むせる」練習

「むせる」ことは苦しそうに見えますが、
気管から異物を反射的に吐き出すための大切な防御反応。
しかし、嚥下機能が低下すると、むせが止まらなくなったり
むせることすらできなくなります。
日頃から正しく上手にむせるための練習をしておきましょう。
実際には、深呼吸をしていったん息を止め、
その後「エッヘン」と咳をして大きく息を吐き出す。
これを何度か繰り返します。

・誤嚥を防ぐ食事の介助とは・・・「うなずき嚥下」

食べ物を飲み込む力の弱い人の食事介助には
「うなずき嚥下」が効果的です。
飲み込む瞬間に頭をやや上に上げてから、大きく下に動かします。
ごっくんと飲み込んだ後に、ハァと息を吐くと、
気管に食べ物が入らないように押し戻してくれます。

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